経営者の私がClaude Codeを「秘書」にした4つのファイル——PLAN・SPEC・TODO・KNOWLEDGE運用の実際

技術ネタ

こんにちは、ノンズ株式会社 代表の野々下です。

私は元Railsエンジニアですが、いまはコードを書くのが仕事ではありません。それでも毎日Claude Code(AnthropicのAIアシスタント)を開いています。使い道はプログラミングではなく、経営の作業台としてです。営業資料の設計、契約書のチェック準備、案件の進捗管理——いわば秘書のように使っています。

その運用の土台にしているのが「4つのファイル」です。もともとはQiitaの 非エンジニアも使えるClaude Code爆速アシスタント化手順(@maimaiWorksさん)で紹介されていた方法で、要点はこうです。

  • PLAN.md — 頭の中を全部書き出す(記事では「音声入力で10分しゃべりまくる」ことを推奨)
  • SPEC.md — AIと壁打ちして仕様・認識を固める
  • TODO.md — 作業を細かい粒度に分解して進捗管理
  • KNOWLEDGE.md — ハマりポイントと解決策を記録して次回に活かす

「いきなりAIに作業させない。先にこの準備をする」というのが記事の核心で、これは本当にその通りでした。以下、数ヶ月実践して分かった、私なりの使い方と発見を書きます。

PLAN.md: 音声入力の「脳内ダンプ」は経営者にこそ効く

新しいプロジェクト(たとえば新規事業の営業戦略)を始めるとき、私はまずMacの音声入力でPLAN.mdに向かって10分ほど話します。市場への課題感、やりたいこと、不安、思いつきなど、順不同で構いません。

やってみて分かったのは、これはエンジニアよりも、頭の中に情報が溜まりがちな経営者にこそ効くということです。経営者の頭の中には「言語化していないが判断には使っている情報」が大量にあります。それを一度全部出すと、Claudeが構造化して「決まっていること」と「決めるべきこと」に整理してくれる。壁打ち相手として優秀な役員が一人増えた感覚です。

SPEC.md: 「確定」と「未確定」を分けるファイルにする

私のSPEC.mdは仕様書というより、「確定インプット」と「残課題」を分けて書く場所にしています。

経営の仕事は、ソフトウェア開発と違って仕様が日々動きます。だからこそ「これはもう決めた(蒸し返さない)」「これはまだ決めていない(判断待ち)」の線引きをファイルに残しておくと、AIとの会話が毎回ゼロからにならない。翌週に開いても、Claudeが「残課題はこの3つでしたね」から始めてくれます。

TODO.md: 一番大きな発見は「完了タスクを残さない」こと

ここが私のオリジナルの発見です。最初は完了タスクに ✅ を付けてTODO.mdに残していました。達成感はあるのですが、数週間でファイルが肥大化して、「いま何をすべきか」がノイズに埋もれるようになりました。

そこでルールを変えました。TODO.mdには未完了タスクだけを置き、完了したものは5つ目のファイル「LOG.md」に日付つきで移す。つまり、

  • TODO.md = 未来(これからやること)
  • LOG.md = 過去(やったことの記録・成果物へのリンクつき)

この分離をしてから、TODO.mdを開いた瞬間に今日やるべきことが見える状態が保てるようになりました。しかもLOG.mdは「いつ・何を・なぜ決めたか」の記録なので、後から経緯を確認するときの監査ログにもなります。4ファイル運用を試す方には、この5つ目をぜひ足すことをおすすめします。

KNOWLEDGE: 個人のメモが「会社のAIの知識」に育った

KNOWLEDGEの運用は、途中から個人の学習メモの域を超えました。

当社ではいま、社内のSlackにAIを常駐させて、社員からの質問(社会保険の手続き、社内規程など)に一次回答させています。このAIが参照しているのが、まさにknowledgeフォルダです。就業規則や手続きのFAQをここに整備していくほど、AIの回答が良くなる。

つまり、個人のワークフローとして始めた「知識の資産化」が、そのまま会社の仕組みになったわけです。ファイルに知識を貯める習慣は、AIの性能が上がるほど複利で効いてきます。

まとめ: 準備するのは「ファイル」ではなく「判断の材料」

4つ(私の場合は5つ)のファイル運用の本質は、AIに渡す判断材料を整えることだと思っています。

  • 頭の中を全部出す(PLAN)
  • 決めたことと決めていないことを分ける(SPEC)
  • 今やることだけを見える状態に保つ(TODO/LOG)
  • 学んだことを資産として貯める(KNOWLEDGE)

これはAI以前に、仕事の整理術としても優れています。AIはそれを何倍にも増幅してくれる装置です。


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